オリーブの木

 

海にポッカリ

浮かぶ小島

 

その脇を通り抜ける

僕らの船

 

ゆっくり

ゆったり

 

どこに向かう

目的地はあの島

 

あの島には

オリーブがある

 

とっておきの

あの島へ

 

港につくと

そこに人はなく

 

ただただ

オリーブの木があるだけ

 

僕らは実を摘み

ポケットに入れ

 

宝物を慈しむかのように

大切に持ち帰る

 

また来るから

そう約束して島を出る

 

みんなが生きていることを確認して

僕らが生きていることも確認して

 

そうして僕らは

一年を送る

 

また来るから

オリーブの木が僕らを見送っている