何処かに

 

展望台と書かれた

案内板

 

そちらに向かい

山を登る

 

誰も訪れたことがないような

山道

 

クモの巣が張っている

草が僕らの邪魔をしている

 

そんな先には芝生が広がり

展望台らしき小屋

 

誰も来なくなったであろうその小屋には

火の見櫓みたいなものがあって

 

そこをゆっくる上り

あたりを見る

 

木々の間から

島が見える

 

その島からは狼煙が上がり

人々の生活があった

 

僕は櫓を降りて

人気のない小屋を見て

 

何時かしかの賑やかな日々

子供の声や

恋人たちの息遣いや

温かい人々のぬくもり

そんな情景が浮かんできて

 

いくつもの人生

その通過点であったであろう

 

この小屋

この風景

 

それを受け止めて

僕も向かう

 

何処に向かっているかわからないけど

ここが何処かはわかっている

 

何処に向かうかは

僕次第であることもわかっている

 

それを受け止めて

僕は向かう

 

いくつもの通過点

感じ考える

 

大切なこと

それが人生であること

 

気づきながら

向かう

 

何処かに