雨宿り

 

散歩をしていたら

雨が降ってきた

 

おかしい

天気予報がはずれた

 

すぐに止むだろう

そう思って歩き続けたけど

 

雨足はだんだん強くなり

大きな樹の下に逃げ込んだ

 

雨宿り

僕はすることもなく

 

ただただじっと

目の前の池を見ていた

 

何人かの人が

僕の前を横切る

 

かまわず歩き続ける人

急いで走っていく人

 

傘をさしている人もいる

用意がいいな

 

雨宿り

考えてみればいつ以来だろう

 

そんなことを思い

頭上の大きな木の葉を見上げる

 

雨宿り

もしかしたら

 

僕はずっと

こうしているんじゃないか

 

僕はずっと

待ってばかり

 

僕はずっと

同じ場所で

 

雨が止むのを

空が晴れるのを

 

僕はずっと

待ってばかり

 

僕はずっと

言い訳していた

 

空の向こうが輝いている

雲の切れ間に青空が見える

 

まだ雨は降っていたけど

僕は歩き出した

 

ちょっと冷たいけど

気持ちよくて

 

僕の心が

洗い流されるようで

 

僕はなんで

雨に濡れるのが嫌だったのだろう

 

そんなこと思いながら

あの輝きのある場所に

 

晴れ渡った空に向かって

僕は歩き出した