冷たい北風

身をかがめながら歩く

 

凧のように

この風に乗れたなら

 

そんなことを思って

コートを思い切って広げてみたら

 

僕は正月の凧のように

空に舞い上がった

 

空から見る景色は格別で

向かい風の必要性がわかって

 

考えようだよな

そう思って目の前を見ると

 

一本の糸が揺らめいていて

それは僕につながっていて

 

次の瞬間風に煽られた僕は

クルクルクルクル

 

地面に一直線

そう思ったら僕についた糸が引っ張られ

 

君に回収されていた

抱きかかえられた僕に君は

 

バカね

そういった

 

僕はただただ笑って

頷くだけだった