道標

 

あの道をどこまでも進むと

何かがある

そう思ってずっと歩いていた

 

どこまでもどこまでも

どこまでも続くような

その道の先には何があるのか

 

ずっとわからなかったけど

何かがある

そう思ってずっと歩いていた

 

途中でなんだか疲れてしまって

もう帰ろうかな

そう思ったりもしたけど

 

振り返るとそこに道はなくて

僕はずっと前に進むしかなかったから

その道を歩き続けた

 

その道を歩く間には

色んな人との出会いがあり

楽しいこともそうでないこともあったけど

 

こんなもんだよな

自分に言い聞かしながら

その道を歩き続けた

 

やがて目の前から光が差し込んできて

あたり一面が光りに包まれてきて

僕のからだは浮かび上がり

 

今まで歩いてきた道のりを一望することができた

こんなもんだよな

そう思って歩き続けてきたみちは

 

僕の道標かと思ったら

それは僕だけのものではなくて

色んな人の道標から成り立っていた

 

その道標の大半は

僕の記憶にはないもので

たいしたもんだな

 

そう思ったところで

僕の道標は終わっていた

僕はそこにはいなかった