あの夏の日のバケツ


バケツに何を入れる?
たくさんの水
それで何をするの

バケツにたくさんのりんご
農家かい?
豊作だね

バケツにゴミが沢山
生ゴミかもしれない
早く運ばなきゃ

バケツを回してごらん
ぐるぐるぐるぐる
水が落ちないだろ

バケツを頭にのせて
かっこいい帽子
僕だけの雪だるま

バケツリレー
早く消さなきゃ
僕が燃えちゃうよ

バケツにたくさんのカニ
つかまえたんだ
あの入江でね

バケツは僕だけのもの
誰にも渡しやしない
幸せのしるし

あの夏の日
皆でした花火
燃え尽きた
バケツの水にジュッって
火薬の匂い
燃えカスの花火
バケツに浮いた花火
幸せの印

バケツ
みんなで持って
思い思い

バケツ
なんで重いのか
幸せが入っているから

知っていたかい?
知ってた
幸せだったから
 

 

葉っぱ


大きな葉っぱが
僕に語りかける

今日は何してたの
明日は何するの

大きな葉っぱは
深い深い鮮やかな緑色で

陽の光を浴びては
堂々とその存在を示している

ねえ何するの
時間がもったいないよ

僕に聞いてくる

それじゃあと僕が聞く
君は何をしているんだい

葉っぱは答える

僕は生きている
清々と生きている

陽の光を一身に受け止め
堂々と生きている

だから聞くんだ
君は何をしているのかと

僕だって生きている
精一杯生きている

そう言おうとしたけど考えた
僕の精一杯とはなんだろうか

僕は精一杯生きているのだろうか
あの青々とした葉っぱのように

僕は考えた
何日も何日も考えた

そして気づいた
だから葉っぱに答えようとして
 
葉っぱを見たら
葉っぱはすでに枯れていた

茎の根元には
小さな芽が膨らんでいた

そしてその芽は僕に向かってこう言った
さあ始まりだよ

はじまりはじまり
君の物語の始まり

葉っぱが芽吹いたら
きっと教えてやる

はじまりはじまり
僕の物語の始まり

 

独裁者


独裁者

国のため?
自分のため?

たぶん国のため
最初は

一生懸命
みんなのため

それで
成功する

すると
ずっと成功したくなる

その成功は
国のためではなく

自分のため
独裁者のため

彼は
残酷だ

でも
知っている

自分が
弱いこと

だから
独裁者

でも実は
僕ら

一緒
独裁者

一緒
気づいてごらん

 

大っ嫌い


あいつ嫌い
大っ嫌い

嫌い嫌い
大っ嫌い

なんでも
かんでも

どうしても
嫌い

あいつを見てると
悲しくて

寂しくて
情けなくて

嫌い
大っ嫌い

だから
助けてあげる

僕が
君を

大っ嫌いだから
君のこと

嫌い嫌い
大っ嫌い

お願いだから
僕を見ないで

嫌い嫌い
大っ嫌い

大っ嫌い
だから

お願い
僕が好きになってあげるから

 

写真


ねえ
写真を取ろうよ

この花を持って
きれいだよ

花?
そうだよ

でも
君のほうがきれいだ

なにより
楽しそう

嬉しそう
それがなによりさ

カシャ
いい写真が取れた

現像できたら
君に送るよ

素敵な写真
ほんとうに素敵な写真

泣けるくらいに
素敵な写真

泣ける
笑ってる君

僕は毎日
君に会うから

君の写真に
話しかけるから

笑ってる君に
笑われる僕でありますように

 

ハッピーエンド


ハッピーエンド
幸せな物語

小説も
映画も
ドラマも
漫画も
なんでも

悲しい話
好きじゃない

だって
ずっと心に残ってしまう

所詮は作り話
そう思っても消えない

騙されやすい
だから
騙されるのかも

それでも
悲しいときも楽しいときもあって

最後に
楽しい時があってほしい

そうであってほしい
それが願い

僕の願い
ハッピーエンド

 

ご馳走


おいなりさん
赤飯
きんぴら

おいしい
おいしい
おいしい

だけじゃない

幸せ
喜び
希望

守られてる
そんな日の
大切なごちそう

僕は
知らなかった
気づかなかった

だから
今度は
僕の番

チキンカレー
初めて作った
幸せの味

幸せになると
いいな
そう願う

作るところ
見てほしい
それが大事だから

僕は知ってた
見ていたから
作るところ

それが
ご馳走だということ
知ってたから