ベランダ

 

ベランダの鉢

草花を買ったんだ

 

小さな場所だけど

日当たりが良いから

 

きっと喜んでくれるはず

燦々と陽を浴びて

 

その姿は

僕らを喜ばせてくれる

 

キレイな花じゃなくていい

そこらへんに咲いてるような草花

 

水をあげると

滴るその姿

 

嬉しそう

僕も嬉しい

 

夏の日の中

涼しい風に揺られて

 

きらめくその姿は

清々しい

 

それを見る僕らも

清々しい

 

いいね

いいよ

 

こんな生活

きっと君も気にいるはず

 

きっと

気にいるはず

セミが鳴いている

 

セミが鳴いている

ミーンミーンミーンミーン

 

うるさいくらい

一生懸命

 

なぜ鳴いているのか

鳴くと泣くは違うのか

 

僕らは鳴いたりしない

セミは泣くのだろうか

 

本当は鳴いてなんかいない

泣いてるのかもしれない

 

僕らが気づかないだけ

僕らが知らないだけ

 

きっと僕らも一緒なのに

僕らも気がつかない

 

泣いている人

たくさんいる

 

誤魔化している人

たくさんいる

 

大きな声で

泣いてみればいいのに

 

あのセミみたいに

大きな声で

 

からだ全体を振り絞って

泣いてみればいいのに

 

そうすれば

気づくかもしれない

 

セミの声に気づくかもしれない

自分の声に気づくかもしれない

 

ミーンミーンミーンミーン

エーンエーンエーンエーン

スイカ

 

イカ

大きな大きな緑色の玉

墨汁で書き記したような線

 

両手で抱えると

ひんやりしていて

いい気持ち

 

包丁で

ザックリ

2つに切り分ける

 

真っ赤

打ち上げ花火のよう

種が散らばっている

 

果物なのに

野菜のような香りがして

清清しい

 

切り分けて

お盆に乗せて

皆の笑顔

 

空を見ながら

遠くを見ながら

皆で同じ方向を見ながら

 

美味しい

うれしい

幸せ

 

イカ

僕らはスイカ

そんな夏の日

 

いつまでも続けばいいのに

 

緑色のトマト

 

ベランダに植えたトマトの苗

成長して

トマトの形になってきた

 

成長中のトマトは

お店で売ってるそれとは違って

緑色

 

それも

見たことのないようなきれいな

緑色

 

トマトはなんで赤くなるのだろう

成熟した印?

おとなになった証拠?

 

葉は枯れると赤くなる

僕らの髪は年をとると白くなる

トマトもそうなのだろうか

 

赤いトマトは人生を終えて

あとは美味しく食べられて

種を育ててもらうだけなのかもしれない

 

となると

今僕が見ている緑色のトマトは人生真っ只中

青春を謳歌しているのかもしれない

 

だからこんなに美しい

緑色

そう思いながらベランダのトマトを見ていた

 

 

僕の笹舟

 

駅へ向かう道

小川というか用水路

その横を歩いていた

 

笹舟

誰が一番遠くまで行くか競争した

結局は誰も追いつけなかった

 

あの笹舟はどうなったのだろう

どこまで行ったのだろうか

どこかに着いたのだろうか

 

今なら追いつく

そんなんことを思ったけど

もう笹舟の作り方もよく覚えていない

 

笹舟は人生ゲームのコマに似ていた

一台の車

結婚して子供を生んでそんな人生

 

人生ゲームのゴールは

大富豪か大貧民

そんな人生

 

よく考えたら

お金を稼ぐだけ

それが人生ゲームのゴールだった

 

あの笹舟のゴールは何処だったのだろう

今からでも間に合うのではないか

笹舟を流し見送るだけではない

 

笹舟に乗るんだ

そしてゴールに向かうのでもない

ゴールを見つける旅に出る

 

今からでも遅くはない

だって僕らは

もう笹舟に乗っているのだから

 

僕にできること

 

僕はこうして詩を書いているわけだけど

なんのために書いているのだろう

 

自分の気持ちを言葉にしたいから?

自分が納得したいから?

 

それとも

 

みんなに認められたいから?

同じ気持ちの人を探したいから?

 

なんでだろう

 

みんなに知ってほしい

そんな気持ちもあるけれど

 

なんか違う気がする

 

書きたいから書く

そんなかっこいいことでもない

 

たぶんわかってる

 

僕ができることはこれしかない

これしかできないから書いている

 

それだけ

 

僕は何かを表現したいと思っている

きっとみんなも思っている

 

そしてそれは

 

会話だったり

歌だったり

仕事だったり

スポーツだったり

恋愛だったり

料理だったり

絵だったり

 

なんでもいい

自分が生きている証だから

 

自分のことを知ってほしい

他人にも

そして自分にも

 

それだけ

ただそれだけ

 

だから僕は

今日も詩を書き続ける

 

それだけ

ただそれだけ

大事なこと

 

嫌なことがあると

嫌な気分になって

寝ても覚めても

そればっかり

 

ああしておけばよかった

こうしておけばよかった

そんなことばかり思って

落ち込んじゃうけど

 

嫌なことがあれば

嫌な気分になるのは

アタリマエのこと

不思議でも不条理でもなんでもない

 

嫌なことがあって

嫌な気分になるのは

僕だけのことであって

それは大概ちっぽけなこと

 

他人から見たら

どうでもいいこと

だって

自分のことじゃないから

 

他人から見て

どうでもいいことなら

自分にとっても

どうでもいいこと

 

じゃないかもしれないけど

それはちっぽけなこと

それは

間違いない

 

だから

大丈夫

それが言いたかっただけ

それよりも

 

自分だって

他人のことがわからないのだから

他人が嫌がることはしないこと

そっちのほうが大事

 

気づいたかい

大事なこと

そっちのほうが大事

覚えておくといい