発明


氷にお湯をかけたら
みるみるうちに
溶けていった

僕は見逃さなかった
溶けていく瞬間
氷はそれはそれは綺麗に輝いていたことを

本当なら時間をかけて
その美しさを
その輝きを見せつけたはず

その姿は自然の中で見ることができる
きらめき
溶けるその瞬間

溶け出した水は
川となり生命の源となる
その姿はさらに美しくきらめき出す

僕はそんなきらめきを
この手の中に作り出したくて
氷を溶かしていた

なぜか
そのきらめきを
僕自身のものにしたかったから

僕は知らなかった
そのきらめきは
自然にある以上すでに僕のものだと言うことを

誰も知らない
皆知らない
この美しさを素晴らしさを

バカな僕ら
僕らが作り出すもの
発明したもの

それは自然の焼直しに過ぎないのに
ノーベル賞
ばっかじゃないの

早く気づきなよ
僕らが発明だと思っているものは
自然の焼直しだと言うこと

 

成長


飛行機に乗ったんだ
あんなに嫌いだったのに
なんとも思わなくなっていた

狭くて
怖くて
逃げ出したくて

気が狂いそうだったのに
それなのに
今はなんとも思わなくなっていた

飛行機で行けばあっという間
なのに
僕は電車で何時間もかけていた

狭くて
怖くて
どうしようもなかったから

気が狂いそうだったのに
今は何ともない
なぜ

鈍感
何が変わった
何を感じなくなった

これが大人になると言うことだろうか
成長すると言うことだろうか
立派になると言うことだろうか

そうかもしれない
でも
大切な何かも失っている

気づけ
それに気づけ
鈍感なことが他にもあるはずだ

そうししないと
失ったことにも気がつかない
新たに得たことにも気がつかない

ただの鈍感
それがわからないと
僕は成長できないはずだから

 

丘陵


目の前に丘陵が広がっていた
何もない
あるのは緑色の絨毯
ビロードのよう
そんな布に包まれた丘陵が輝いている

斜面に鹿がいた
草を食べている
その鹿は
やはりビロードの上で
丘陵の一部となっていた

丘陵は空と相まって
その場所の風景を作っていた
雨が降ってきて
風も吹いて来たけど
同じくその丘陵は自然だった

僕もあそこに行きたい
あのビロードを踏みしめたい
僕にとってはレッドカーペットかもしれない
晴れの日の舞台
それがあの丘陵

いつか僕もあの丘陵に見合う
あのビロードに包まれることができるような
そんな人になりたい
自然の一部に自然となれる
そんな美しい人になりたい

 

気づき


後悔していた

いつも後悔していた

あの時あーすればよかった

なんでこーしなかったのか

いつもそんなことを思っていた

でも

そんなこといくら考えても

何も変わらない

だったら

そんなこと考えたって

後悔ばかりしたって

しょうがない

何も生み出さない

気がついた

そうしたら

なんで今まで

気がつかなかったんだろう

また後悔してることに気がついて

僕ってバカだな

そう思って笑っちゃった

 

ひまわり


ひまわりって不思議だ
なんであんなに大きいのか

みんなに見てほしいから
自分の美しさを知ってほしいから

自惚れ屋さんなのかも

自分を知ってほしいから
自分のところによってきてほしいから

単なる寂しがり屋さんなのかも

たくさんのタネを残したいから
自分の子孫をいっぱい作りたいから

もしかしたら良い親なのかも

でも僕はこう思う
ひまわりがなぜ大きいのか

太陽を独り占めしたいから

ひまわりは太陽の素晴らしさを知っている
太陽の輝き
太陽の暖かさ
そして
太陽の力

それを一身に受け止めるために
あんな大きくて
いつでも太陽にわかるよう真っ黄色で
大きな花を受け止める太い茎を持って
常に太陽を向いている

太陽は等しく皆に降り注いでいる
それに気づいている人は少ない
ひまわりは気づいた
そして
独り占めしたいと思った

そんなひまわりは
美しくて
たくましくて
素敵だ
それは太陽の力で出来上がっている

それに気づいた僕は
いつも空を見上げて
太陽の力を一身に受け止めることにした
僕も
美しくてたくましくて素敵な僕になりたいから

あのひまわりのように

 

真っ赤


山が紅葉していた
山はキャンバスのよう
自然が色づき
美しさ
ただただ存在している

葉っぱが
いろんな色に染め上がる
黄色
オレンジ色
そして赤色

黄色やオレンジはわかる
緑色の青年が役目を終えて枯れる色
それが日に輝き美しさを醸し出す
老齢なりの美しさ
時の終わりを感じる色

だけど赤色は違う
なぜあんなに真っ赤に染め上がるのだろう
枯れる?
そんなことはないはず
だって真っ赤なんだ

なぜあんな燃え上がるような色になる
落ち葉になる直前なのに
真っ赤
彼らは何かを知らせたいのかもしれない
自分が生きてきた証

老いたら相応にしたらいい
みんなそう思う
黄色やオレンジになればいい
だけど奴は違う
真っ赤になるんだ

真っ赤になって
自分の存在を最後に知らしめる
俺はこんなことができる
こんなすごい奴なんだと
それがあの赤色

たくさんの山々の緑
秋には紅葉となって色づく
美しさ
みんなに知らしめる
そして真っ赤な彼がいきり立つ

俺を見ろ
俺の生きてきた証
俺の素晴らしさ
俺の人生
俺の美しさ

美しさ
そん人生を歩みたいじゃないか
真っ赤になって
みんなに教えてやるんだ
俺は生き抜いたんだぞって

 


筋斗雲に乗って
いろんなところに行って
縦横無尽

そんなことして見たかった
空に浮かぶあの雲は
そんな雲であってほしい

雲は
かぶもの
そして僕らを包み込むもの

だから
雲に乗って
トランポリン

いや
布団
羽毛ぶとんなんて目じゃない

ふかふかで
柔らかくて
温かい

そんな雲は
僕らの未来


雲のうえで
何してるんだい
ただ寝転んでるだけ

雲の上から空を見る
ごめんね
地上は観ていないんだ

だって
空があまりにも綺麗なんだもの
君も知ってるだろ