ほしいのは

 

勉強していても

仕事していても

 

ほしいのは結果だった

 

作文書いていても

絵を描いていても

 

ほしいのは出来上がったものだった

 

走っていても

歩いていても

 

ほしいのは達成感だった

 

僕はめんどくさがりだから

根気がないから

 

そんな風に思ってたけど

本当の楽しさ

 

知らなかった

気づかなかった

 

育てていても

暮らしていても

 

ほしいのは

 

育てること

暮らすこと

 

その日常

その嬉しさ

 

僕らのゴールは

ゴールではない

 

ゴールに向かう僕ら

それが僕らのほしいもの

 

ほしいのは

 

綿帽子

 

散歩をしていた

まだ暑い日が続くものだから

汗をかきながら

疲れたなと思いながら

ただただ歩いていた

 

いつものように

耳を澄まし

目的を持たないことで

見えるものが見えるから

ただただ歩いていた

 

ふと気づく

前から何かが飛んできて

僕は避けようとしたけど

よくみたらそれは

綿帽子

 

ふわふわと

ただただ風にふかれるままに

やってきて

僕の前で

大きく浮き上がってきた

 

まるで

僕に気づかせるように

僕に気づいてほしいかのように

その綿帽子は

僕の前に現れた

 

僕は手を伸ばして

綿帽子を掴んだら

一緒に風に乗って

空に舞い上がってしまった

グーンと浮き上がっていった

 

まるで傘を持つかのように

綿帽子を掴んだ僕は

昔見たチャップリンの映画のように

綿帽子と一緒に

空を散歩していた

 

空から見る地上は

今まで見たことのない姿で

そこには

僕の家や

家族があって

 

なぜだか急に皆が愛おしくなって

綿帽子から手を離したら

さっきの散歩道で

空を見ている僕がいた

その目の先には綿帽子

 

綿帽子はグーンと浮き上がったり

落ちてきたりしたけど

もう僕の前にはやってこなかった

今度は誰のところに行くのだろう

綿帽子

 

地方の田舎道

いろんな場所にお墓

 

山の中

峠の途中

海沿いの道

畑の中

家の横

 

人が生きていた証

人が生きている証

 

そんなお墓には

キレイなお花

 

どんなに寂しい場所でも

可愛いお花が供えてある

 

人が生きていた証

人が生きている証

 

それが生活

それか毎日

 

感謝と責任

過去と未来

 

僕らは何処に

向かうのだろうか

 

 

ビール

 

仕事を終えて

家に帰り

 

冷えたグラスに

ビールを注ぎ

 

椅子に座り

ナッツを頬張り

 

手に持ったビールを

灯りに透かし

 

きれいな泡

琥珀色の中を泳ぐ気泡

 

そんな姿を確かめて

自分の姿を確かめて

 

グラスを口に運び

ビールを喉に流し込む

 

その瞬間

僕は生きていた

 

生きていることを発見した

それじゃ

 

それまでは死んでたのかい?

そうかも

 

そんなことを思いながら

僕はこの瞬間のために生きている

 

それだけは間違いなくて

それだけは本当のことで

 

じゃあずっとこうしていればいいのに

そうも思ったけど

 

この時間があるから

この時間じゃないときもあって

 

死んでるときもあるから

生きているときもあって

 

だからいまの僕があって

ビールを飲んでいるのだから

 

それでいいじゃないか

そう思いながら

 

僕はビールを飲むために生きているんだ

そんな僕が僕だった

 

ハッピーハロウイーン

 

ハロウイーンがやってくる

 

いつからだろう

街が仮装した人で溢れてる

 

人気のキャラクターや

思い思いの格好で

 

皆恥ずかしそうに

誇らしそうに

 

私を見て

こんなに仲間と楽しんでる

 

私を見て

こんなに私は充実している

 

そんな私は

滑稽だ

 

なぜ気がつかないのだろう

みなと同じことをすることが

 

格好悪いことに

滑稽なことに

 

様々な姿になってみても

そこに自分の姿はないことに

 

なぜ気がつかないのだろう

そこに自分がいないことに

 

でも

そんなことどうでもいいいや

 

これが街の風景だから

滑稽な僕らの世の中だから

 

家に帰ると

大きなオレンジのかぼちゃ

 

僕を見て笑っていた

ばかだなあって

ここにいる僕ら

 

電車に乗っていると

僕はいろんな人に見られている

 

ことはなくて

誰にも気づかれることもなくて

 

だけど

そんなことを知ったのは最近で

 

だって

僕はいろんな人を見てるから

 

こんな狭い空間で

こんなに沢山の人が一緒で

 

知り合いでもないし

好きでもないのに一緒にいいて

 

何処かに運ばれていって

何処かで別れて

 

次の日また会って

また別れて

 

知らないうちに

一生を終える

 

だから僕は見ている

いろんな人を見ている

 

どうやって生きているのか

知りたいから

 

なぜ僕らがここにいるのか

知りたいから

 

 

 

旅行に行ったんだ

 

山を登り

 

階段を登り

 

海を渡り

 

橋を渡り

 

砂浜を歩く

 

天気が良かったから

 

太陽の陽を浴びて

 

日焼けして

 

体が火照ってきて

 

体のあちこちが痛くて

 

風が気持ちよくて

 

日陰が気持ちよくて

 

水か冷たくて

 

緑の匂いが心地よくて

 

生きていた

 

そんな事に気づいて

 

そんなことにも気づかない

 

日常ってなんだ

 

そんな事に気づいて

 

僕は恥ずかしくて

 

僕は生きているのだから

 

もっと生きなければいけない

 

そんな事に気づいて

 

家路についた