ため息

 

ため息が出るような

そんな瞬間

どんな瞬間

 

退屈な時

ガッカリした時

つまらない時

 

知らないんだな

そんな瞬間

幸せな瞬間

 

君は時間を持て余し

自分だけの時間を有している

そんな瞬間

 

知らないんだな

そんな瞬間

幸せな瞬間

 

ハーじゃない

フーさ

そう言ってごらん

冬の日

 

赤い花が咲いている

緑の葉に映えている

 

こんな寒い季節

花粉を運ぶ虫だっていないじゃないか

 

なぜこんな季節に咲くのだろう

誰のために咲くのだろう

 

でも彼らも思っているかもしれない

なに急いでるんだろう

 

毎日毎日

セカセカセカセカ

 

何のために

どこに向かっているのだろう

 

そうだよね

そう思うよね

 

そう思ったら

おかしくなって大きな声で笑っちゃったよ

 

僕は大きな花を一つつみとり

部屋に持ち帰り

 

しばらく一緒に暮らすことにした

お互いを知らなきゃね

 

そんな冬のある日だった

太陽

 

夏の太陽より

冬の太陽のほうが好きだ

 

なぜだか

輝きがかたが違うように感じる

 

突き刺さるように

輝きを放つ太陽

 

たぶん

知ってる

 

僕らが寒くて

凍えていることを

 

ほら

あったまりなよ

 

きっとそんなことを言っている

朝早く起きて

 

みてごらん

太陽はそう言っている

 

僕は知っている

僕だけの太陽だから

手紙

 

寒くなってきましたね

風邪などひいていませんか

 

暖かくなったら

どこかに出掛けたいですね

 

なにか美味しいものでも食べて

色んな話ができるといいですね

 

お茶は欠かさず飲んでいますか

緑茶は体にいいですよ

 

僕ですか

僕は代わりありません

 

というより

代わり映えしません

 

相変わらずの日々を送っています

でもそれが幸せだということも知ってます

 

それではまた

くれぐれも体には気をつけてください

 

また逢う日を楽しみにしています

さようなら

 

手紙

誰に宛てる手紙なのか

 

僕は返信を待ちつづける

いつの日か

 

そんなこと思いながら

僕は歩き続ける

幸せ

 

音もなく忍び寄り

後ろから両手で眼を隠す

 

だーれだ

聞いてみる

 

だーれだも何もないもんだ

君に決まってる

 

だったらなんで

聞いてみたりするのだろう

 

確認してるんだよ

僕が君を知っているのか

 

君は不安で不安でしょうがない

だから自分を知ってほしい

 

自分を知っていることを確認したい

幸せだね

 

幸せだよ

君は幸せだ

 

目隠しをされた

僕だって幸せだ

 

君は気づいてない

だから君は幸せなんだ

一緒

 

おとなになると

手をつなぐことってなくなる

 

握手くらい

握手するくらいなら

 

手をつなごうよ

手をつないで感じあおうよ

 

僕の手の暖かさ

君の手の暖かさ

 

温かいね

温かいよ

 

だから手をつなぐんだよ

思い出したかい

 

僕らは一緒

いつも一緒

 

これでいい

これでいいのさ

プール

 

寒い寒い冬の日

寒くて凍えてしまいそう

 

あまりにも寒いものだから

僕は屋内プールに出かけることにした

 

温水で

まるでジャングルにいるかのよう

 

夏の日のように

水に浮かんで空を見ていた

 

そこに空はなく

寒々とした天井があるだけ

 

ここはどこだろう

そんなこと思っていたら

 

何かにぶつかった

大きな浮輪だった

 

僕を助けに来てくれたのだろうか

そんなことはなくて

 

はしゃぐ子供が乗っている

僕になんてお構いなし

 

誰か僕に浮き輪を投げてくれませんか

なくしてしまったんです

 

泳ぐことも忘れてしまったんです

ただただ浮いてるだけなんです

 

僕はどこに行こうとしているのか

ここはどこなのか

 

バシャン

浮輪が僕に向かって飛んできた

 

ちがう

ビート板だ

 

さあ泳ごう

泳ぎ方から思い出さないとね

 

知らないその人は僕の手にビート板を握らせて

バタ足をするよう促している

 

誰なんだろう

でもどうでもいいか

 

僕は体を起こし

大きく足をばたつかせてみる

 

前に進む

驚いた

 

自分の力で前に進むことが

こんない楽しいと思わなかった

 

驚いて

そのことを伝えようと

 

振り向いたら

そこには誰もいなかった

 

僕の手には

ピンクのビート板があるだけだった