行こう


なんで焦っているの

どうして

そんなに焦る必要なんてないのに

焦っているの

なんで

何に

わかってる

わかってるんだ

なぜこんなに焦っているのか

何もない

何もないから

それに気づいているから

それを知っているから

大丈夫

気づいているなら大丈夫

焦る必要なんてない

君は知っているから

気づいているから

自分がすべきこと

なすべきこと

すればいい

失敗したってかまうもんか

だから

焦る必要なんてない

そんな暇ない

やればいい

やっていい

だから

やろう

やってやろうぜ

君はできる

だって

知っているから

気づいているから

だから

できる

行こう

さあ

行くよ

 

ナイフ


ナイフ

鋭いナイフ

りんごを剥くの

それとも

木を削るの

ちがう

自分のこころ

心を磨く

違う

心を削る

そんなナイフ

僕の手

僕は心を鷲掴み

そして

刺す

だって

わかっていないから

そうしないとわからないから

ナイフ

僕のナイフ

それは僕だけのためにある

人のためのものではない

だから

人を刺すものではない

ナイフ

僕はいつも磨いている

僕の心を鷲掴み

そして刺すため

血なんかでない

出るのは涙だけ

僕の心

ナイフで切り刻み

涙で拭う

僕のナイフ

僕だけのナイフ

いつまでも一緒

 

たいしたtamageta


くるくるくるくる
クルクルクルクル

まわる
マワル

きれいに
キレイに

氷上で
表情が

弾け
幼さ

強さ
弱さ

そんな姿がテレビで流れ
そんな姿に釘付けになり

テレビを消したら
だらしなく座る僕がいた

立ち上がり
飛んで見る

思いっきり
回ってみる

くるくるくるくる
クルクルクルクル

なるほどな
なるほどね

大したもんだ
そう思った

tamageta

 

キス・アンド・クライ


歓喜のキス

失意の涙

交差する場所


達成感

悔しさ

まじわる瞬間


頭のなかで

整理できないまま

そこに座り


皆が見てる

見られてる

そんな思いで


そんな場所

優しくて残酷な場所

キス・アンド・クライ


僕らにもある

それはどこ?

職場
学校
体育館
居間
キッチン
トイレ
お風呂の中
森の中
あの場所
秘密のあの場所


僕だけの場所でありたい

キス・アンド・クライ

それは僕のものだから


キス・アンド・クライ

素敵な場所

僕だけの場所

 

あの夏の日のバケツ


バケツに何を入れる?
たくさんの水
それで何をするの

バケツにたくさんのりんご
農家かい?
豊作だね

バケツにゴミが沢山
生ゴミかもしれない
早く運ばなきゃ

バケツを回してごらん
ぐるぐるぐるぐる
水が落ちないだろ

バケツを頭にのせて
かっこいい帽子
僕だけの雪だるま

バケツリレー
早く消さなきゃ
僕が燃えちゃうよ

バケツにたくさんのカニ
つかまえたんだ
あの入江でね

バケツは僕だけのもの
誰にも渡しやしない
幸せのしるし

あの夏の日
皆でした花火
燃え尽きた
バケツの水にジュッって
火薬の匂い
燃えカスの花火
バケツに浮いた花火
幸せの印

バケツ
みんなで持って
思い思い

バケツ
なんで重いのか
幸せが入っているから

知っていたかい?
知ってた
幸せだったから
 

 

葉っぱ


大きな葉っぱが
僕に語りかける

今日は何してたの
明日は何するの

大きな葉っぱは
深い深い鮮やかな緑色で

陽の光を浴びては
堂々とその存在を示している

ねえ何するの
時間がもったいないよ

僕に聞いてくる

それじゃあと僕が聞く
君は何をしているんだい

葉っぱは答える

僕は生きている
清々と生きている

陽の光を一身に受け止め
堂々と生きている

だから聞くんだ
君は何をしているのかと

僕だって生きている
精一杯生きている

そう言おうとしたけど考えた
僕の精一杯とはなんだろうか

僕は精一杯生きているのだろうか
あの青々とした葉っぱのように

僕は考えた
何日も何日も考えた

そして気づいた
だから葉っぱに答えようとして
 
葉っぱを見たら
葉っぱはすでに枯れていた

茎の根元には
小さな芽が膨らんでいた

そしてその芽は僕に向かってこう言った
さあ始まりだよ

はじまりはじまり
君の物語の始まり

葉っぱが芽吹いたら
きっと教えてやる

はじまりはじまり
僕の物語の始まり

 

独裁者


独裁者

国のため?
自分のため?

たぶん国のため
最初は

一生懸命
みんなのため

それで
成功する

すると
ずっと成功したくなる

その成功は
国のためではなく

自分のため
独裁者のため

彼は
残酷だ

でも
知っている

自分が
弱いこと

だから
独裁者

でも実は
僕ら

一緒
独裁者

一緒
気づいてごらん