オタマジャクシがいる
すいすいと泳ぎまわる
スイカの種みたいなあいつ
足が生え
しっぽがいつの間にかなくなり
スイカの種はカエルになった
こんどは平泳ぎ
長い舌で虫を取り
ケロケロケロと鳴いている
カエルは池を飛び出し
僕らの街にやってきた
不思議そうに辺りを見回し
日差しが強いと参っている
蓮の葉 日傘をかしてやり
タバコを一服すってみな
カエルは足組みしたり顔
そのうち思い出してきて
田んぼの畦道 帰りだし
ケロケロケロと彼女が鳴いて
遅かったじゃないの 言われてみれば
そんなことないよと したり顔
ふたりは卵をたくさん生んで
池にはスイカの種だらけ
スイスイスイと泳いでは
ケロケロケロと鳴いている