時計


時計を見ていた
時が進むっていうけど

時計を作ったのは僕らで
時を進めているのは僕らではないから

時計にはなんの意味もなくて
それなのに時計は健気に秒針を進めていて

僕らはつまらないものを作るな
そんなことを思ったから

家中の時計の針を
めちゃめちゃな時間にしてみた

好きに動けばいい
好きに時間を刻めばいい

時計の好きなように
遅かったり速かったり

好きなように
時を刻めばいい

そうしたら
僕も

僕も自由になった
時に縛られなくなった

僕は時計に操られていた
そんなことに気づいた

僕らはつまらないものを作るな
それがわかって

僕の人生は一変した