雷鳴

 

あんなに晴れていたのに

輝きに満ちた空だったのに

 

いつの間にか

真っ黒な雲がやってきて

 

雨の匂い

刹那

 

すごい勢いで雨が降り出す

遠くに雷鳴

 

徐々に音が近づき

忍び寄ってくるなにか

 

雷鳴

稲光は空間を引き裂き

 

見たことのない閃光

この世が照らし出される

 

一体これは何なのか

雷様

 

雲の上にいるのか

太鼓を叩いているのか

 

雷が地面に突き刺さる

そこに彼はいるのだろうか

 

しばらくすると

落ち着きを取り戻したかのように

 

雨はやみ

何事もなかったかのように

 

セミが泣き出す

雨の雫が輝いている

 

あの雷に

力をもらったかのように

 

前よりも元気に

空や雲や森や虫たちが

 

ざわめきだし

青く晴れ渡った空

 

雲の上で

彼が笑っている