空を見ていたら
雲が弾けた
中から
ニワトリが現れて
コケコッコー
とは言わないで
僕をじっと見て
何処かへ言ってしまった
何かを探しているようだった
ひよこかもしれない
僕は思った
僕は卵料理が好きだけど
ニワトリはなんで
あんなに卵を生むことができるのだろう
そんなこと考えたことなくて
幼いころ見た夜店のひよこを思い出して
さっきのニワトリが探していたのは
あの子たちかもしれない
そんなことを思って
黄色い目玉焼きの黄身をつついたら
あのニワトリの涙が
空から雨になって降ってきて
大洪水になって
僕も目玉焼きも一緒に流されてしまって
いつの間にか
僕は晴れ渡った空の雲になっていた