笑顔


銃を持て
やつをやっつけろ
ちがう
やつらだ
みんなやっつけるんだ

なぜなら
僕らが生きるため
僕らだけが安心した暮らしを得るため
僕らだけが幸せになるため
他のやつらはどうなったっていい

だから
銃を持て
やつらをやっつけろ
一人残らずだ
報復されたら困るからね

こんな世の中
こんなニュースばっかり
なんて世の中
平和を
みな平和を求めるべきだ

本当にそう思っているのかい
銃を持ってないだけで
君も同じことをしていないかい
自分だけ
自分だけ幸せになればいい

そのためには
相手が不幸でなければならない
だから
相手をやっつける
あいつらをやっつける

こんな日常
こんな毎日
こんな世の中
それで
何が平和を求めるだ

嘘つくのもいい加減にしな
偉そうに
わかったようなこと言うんじゃないよ
もっと
考えなよ

わかるだろ
すべきこと
僕らがすべきこと
自然を愛し
自然に愛されることだ

それが本質
それが生きること
わかっている人もいる
顔を見ればわかる
いい顔をしている

そんな自分になりたいじゃないか

 

 

自由


自由になりたかった
自由になったら退屈だった
自由になったら寂しかった

僕は自由だった
僕はそのことを知らなかった
僕は無知だった

僕はなんでもできるのに
僕は自由なのに
何もしないだけだった

それなのに
自由になりたい
なんて思っていた

自由
僕は誰かのせいにしていた
誰かが僕に何もさせないでいると思っていた

思い込んでいた

僕は自由だった
僕はいまも自由だけど
僕は何もできない

だから僕は孤独だ
だから誰かに助けてほしい
何て思ってはいけない

だって
僕は自由であるべきだから
僕が僕であるために

僕は自由でなければならない
だから
僕は自由であり続ける

自由な僕であり続けるために
僕は僕であり続ける
それが僕が僕であることだから

 

桜よ桜


桜よ桜
あなたはいつからそこにいるのですか
いつから私たちを見てきたのですか
いつまで私たちを見てくれるのですか

桜よ桜
私たちはあなたを見て喜びあい笑いあってきました
でも違うのですね
見ていたのはあなたのほうだったのです

桜よ桜
どうか教えてください
私たちは幸せでしょうか
私たちは何か変わりましたか

桜よ桜
あなたは何も変わりません
こんなにも真っ黒な木に
こんなにも可憐な花をさかせるあなた

桜よ桜
どうかこれからも私たちをお守りください
あなたを見て喜び楽しむ私たちを
見続けてください

桜よ桜
強くて可憐なあなた
あなたは私たちのあこがれであり
私たちの命

桜よ桜
あなたはあの人
ずっと見続けてください
どうかいつまでも見続けてください

 

できる


できる できる 絶対できる
できる できる 必ずできる
できる できる 今こそできる
できる できる お前はできる
できる できる 僕ならできる

なにが

一体何ができるのだろう
僕には何があるのだろう
僕は何ができるのだろう
わからない
それがわからない

もしかしたら

何もないのかもしれない
できるできないではなく
何もすることがない
それが僕
それが僕なのかもしれない

どうして

何もすることがないのだろう
何でもできるかもしれないのに
何もしないのだろう
何もできないのだろう
どうして僕はここにいるのだろう

できる できる 絶対できる

僕は何かすることができる
僕は何かを見つけることができる
僕は人を幸せにすることができる
僕は人を愛することができる
僕は人に愛されることができる

できる できる 絶対できる

だから
僕はあきらめない
絶対にあきらめない
何をするかじゃない
何だってするんだ

できる できる 絶対できる
 

 

うそ


何もすることがない
なにも
僕は時間を持て余し
いつの間にか時間が過ぎてしまうことに
焦っている
おかしいね

何もすることがない
だから僕は寝てしまう
僕は寝ることができる
何かすることができた
寝るって気持ちいい
嬉しいし楽しい

何もすることがない
だから寝るんだ
楽しいんだもの
気持ちいいんだもの
何もなし得なくてもいい
どっちにしろ朝が来る

ずっと朝が来ると思っているのかい
バカいうなよ
知ってるよ
限られた時間だってことを
だから焦ってるんじゃないか
わかってるよ

何もすることがない
なにも
隣には絶望
寝るしかない
僕にできることは寝るだけ
それは生きながら死ぬこと

何もすることがない
なにも
生きていても死んでいる
本当かい
だったら
死んでしまえよ

何もすることがない
なにも

うそつけ

 

羨ましい


羨ましいかい
君は人のこと
羨ましがってばかり

私だって
いつかなれる
だから羨ましくなんかない

うそばっかり
顔に書いてある
羨ましいって

羨ましがられる人はね
なにもしないで
羨ましがられたりしない

羨ましがられるような
何かを叶えるために
何かをしてきた人だ

だから君は人のことを羨ましがってはならない
何かをするのが先だ
死ぬほどするんだ

それでダメだったとしても
君は人のことを羨ましいなんて
思わないだろう

きっと誰かが言っている
君のこと
羨ましいって

 

彼ら


そこに滝があった
青々とした空気の中
水が落下していく
飛び散る水滴
その水滴は空気と交わり
僕らのところまで届く
生き返るような瞬間

これはなんだろう
香りもない
単なる空気でもない
水滴でもない
僕らのところに届いた彼らは
僕らの体に染み渡り
何か深いところで生き返る

大昔の記憶を呼び覚ますかのように
彼らは僕らが何であるかを
伝えようとでもしているかのように
僕らの何かを覚醒させる
僕らは何かを思い出す
生まれた時の記憶
そして生まれる前の記憶

滝から落ちる水は
いったいどこからやってきたのだろう
それと同じ
僕らはどこからやってきたのだろう
僕らはどこへ行くのだろう
滝の水はどこへ行くのだろう
またいつか滝から落ちるために
旅を始めるのだろうか

だから
僕らも旅を始めよう
ちょうど時間だ
僕らは旅に出なければならない
今度は僕らの番だ
みんなに恩返ししなきゃ
さあ行くよ
出発だ