水族館


水族館
たくさんの魚が
水槽の中を泳いでいる

口をパクパクさせて
餌を求めているのか
どこに向かっているのだろう

彼らは
何を思って
泳ぎ続けているのだろう

あの太陽の眩しさ
あの海の青さ
そしてどこまでも続く海の深さ

それを知らず
いや
知っていたのかもしれない

彼らは
どこに向かっているのだろう
僕も

そう思ったら
僕は
魚になっていた

水槽の中で
あてもなく
泳ぎ続ける

一匹の魚
どんな魚なのか
オスなのかメスなのか

そんなことは関係なかった
ただ泳いでいるだけ
餌を頬張っているだけ

水槽の外に
人が見えた
こちらを見ている

目は水槽を見ているようで
そうではなく
ただ漠然と息をしているだけ

何のために水族館に来たんだろう
それより
何のために生きているんだろう

そう思って
よく見たら
僕だった