空を見ていたら
いつのまにか
僕は空になっていて
雲の隙間から
僕や僕の家族を見ていたら
とても楽しそうだったので
安心して
僕に戻ろうと思ったら
もう僕は僕ではなくて
空になっていた

僕は幸せだったし
僕の家族も幸せだったから
それで良かったのだろう
そう思って
風に吹かれるまま
なのか僕が風なのか
よくわからなかったけど
何だか気持ちが良くて
陽の光も暖かくて
何も考えないで身を任せていたら

何だ空になった僕も
僕だった僕も
一緒じゃないか
ただ身を任せているだけ
そう気がついて
だから僕はいつも空ばかり見ていたのか
ようやくわかって
空になりたかったのか
それとも僕が空だったのか
もうそんなことはどうでも良くて

ただただ
幸せだった

 


花が咲いていた

土から芽を出し
自らの茎と葉に支えられて
可憐に咲いている花

大きな大木の先に
真っ黒な幹とは対照的に
咲き誇る花

花は何のために咲くのだろう

僕らも花を咲かせると例え流ことがある
それは目的や目標を達成した時
ゴールした時に使う表現

僕らは花を見て喜びたのしみ
季節を知る
花が枯れた時それは終わりの時

それでも自然の花は咲き続ける

毎年毎年
何かの合図のように花は咲き
僕らも見ては喜び笑う

花にとって
それはゴールではなくスタート
それを知らないのは僕たちだけ

僕らは僕らの花を咲かせる

それは
ゴールかもしれないし
スタートかもしれない

人それぞれ僕しだい
僕は僕の花を咲かせよう
みんなが喜ぶそんな花を

 

雨の日


雨が降ると
胸が痛むのはなぜだろう

寒いから
寂しい感じに包まれるから

だからだろうか
雨の日は布団の中が心地いい

だけど雨の向こうに
光り輝く大地が見える

明るい空がうっすらと見える
雨上がる すぐそこにある

雨が降ると
胸が痛むのではなく心が痛む

雨のせいじゃない
自分のせい

寂しい自分は誰のせいでもない
自分が心で思うこと

だから外に出て
雨に打たれてみればいい

きっと新しい発見がある
雨が大好きになるに違いない

雨は天からの贈り物
僕らの心のガゾリンだ

外に出よう
傘なんかいらない

僕らはどこにだって行けるし
何にだってなれる

さあ心のガソリンを満タンにして
旅立とう

 

たい焼き


たい焼き
あんこが詰まってて
温かくて
甘くて
おいしくて

みんなの人気者
だけど最近あまり見ないね
海に逃げ出したのかな
泳ぎたいだけ泳いで
おじさんに食べられちゃったのかな

たい焼きは
なぜ鯛の形をしているのだろう
誰が考えたのだろう
キリンやぞう
牛や豚でもいいじゃない

僕らだって一緒だ
何でこんな形をしているのだろう
何でこんな顔をしているのだろう
誰が考えたわけでもない
誰かが考えたのかもしれないけど

僕らの中には何が詰まっているのだろう
美味しいあんこか
甘い甘いカスタードか
辛いカレーか
もしかしたら空っぽかも

僕らは僕らでしかないけど
僕らは僕らになることができる
自分には何が詰まっていると思う?
せっかく生まれてきたんだ
美味しい存在になりたいじゃないか

僕だけのたい焼き
自慢のたい焼きになろうよ
誰にも負けない
ほっぺが落っこちるくらいのあんこを詰めて
とっても美味しいたい焼きになろうよ

 

スタート


ついてない
そんなことをよく思うけど
逆に
うまくいくことだらけだったら
僕らは幸せなのだろうか

ラッキー
アンラッキー
どちらもあるから
どちらもある
当たり前のこと

つまらないことがあるから
楽しいことや嬉しいこともある
それは本当
だから辛いことや
うまくいかないことがあっても

僕らは楽しめばいい
スタートだ
うまくいかないことがあるから
うまくいくことがある
そこに向かうことができる

それが生きることだから
うまくできてるな
人生って
スタートを切るか切らないかは
僕らしだい

 

僕らの目指すもの


病院なんて滅多にいかない
嫌いだから
だけど助けてもらわなければならない時がある

先生にいろんな話をして
先生からいろんな話をされて
お大事にと言われて部屋を出る

少しホッとして
早く良くなるといいな
そう思いながら処方箋をもらって薬屋に向かう

薬屋にいくと
今日はどうされましたか
店員さんがそう聞いて来る

さっき病院で話したよ
何でまた聞いて来るの
早く薬をください

そう思うけど
そんなことは言えなくて
ぶっきらぼうに症状を伝える

お薬カードをお持ちですか
作りましょうか
次回も持って来てくださいね

もういいよ
病院に行って来たんだからいいじゃないか
早く帰らせてよ

薬屋さんは病院のそばに必ずある
なぜかくっついてある
パチンコの景品交換所みたいだ

そんなこと言っちゃいけないね
だけど何か違和感がある
何だろう

薬屋さんは僕のため
そう思ってそう考えているのだろうか
自分の責任 ただそれだけじゃないのか

でもよく考えたら
僕らの仕事
みんなそんなもん

それだけじゃない
みんな自分のこと
人より大事

当たり前かもしれない
だけど
その先に何かがある

僕らはそれを求めなければならない
そんな自分になることを
そんなみんなでいることを

だから僕らはそれを目指す
口に出さなくてもいい
自然に目指す僕らであれば

そんな僕らでいられるために
そんな僕らになりたいよ
だから僕は目指すんだ

みんながそうなれるよう

 

蜂の気持ち


大きな大きな
とても大きな蜂を見た

スズメバチだろうか
ベランダの植木のあたりを飛んでいた

あの蜂は
どこから来てどこに帰るのだろうか

なぜうちに来たのだろうか
花のいい匂いがしたからだろうか

蜂はあっという間に何処かに行ってしまった
女王さまの元へ帰ったのかもしれない

蜂は僕のことを見てどう思ったのだろう
暗い家の中で何するわけでもなく

外を空を見ていた僕のことを
もしかして僕が怖かったのかもしれない

僕らは全て僕らを起点に物事を考える
僕らは全て僕らを中心に回っていると思っている

当たり前かもしれないけど
当たり前じゃない

全ては多面的だ
僕らは一つじゃないから

だからたまには考えよう
あの蜂の立場になって考えてみよう

お腹が空いてしょうがなかったのかもしれない
とてもいい天気に誘われて散歩していただけかもしれない
女王さまと喧嘩して巣を飛び出して来たのかもしれない
子供を育てるために餌を見つけに来たのかもしれない
みんなとはぐれて泣きながら飛び続けていたのかもしれない
誰かを探していたのかもしれない
大切な誰かを

あの蜂は僕ら家族を見てどう思ったのだろうか
怖がらずに今度会ったら聞いてみよう

蜂の立場に立って
僕の心に

聞いてみよう