花火
季節外れだけれど
こんなにキレイ
気がつかなかった
夏の夜の花火は
当たり前だけど
浴衣に
スイカで決まりだけど
季節外れの花火は
そもそも季節外れだから
何が似合うかわからないけど
タダタダ花火がキレイ
それでいい
そう思ったけど
花火を手にもつ
君の笑顔
花火に似合って
素敵だったから
花火と君
季節外れの素敵な時間が
僕と僕らの季節に
とてもお似合いだった
クルマを運転していたら
どこまでも
どこまでも
行けるような気がして
どこまでも行ってみた
ひとり
そしたら
森や
川や
ツバメたちや
見たことのない湖や
深い深い青い川や
みんなが僕に寄り添って
僕のそばに居てくれて
僕は嬉しくて
クルマを運転していた
どこまでも
どこまでも
僕はひとりのようでひとりではない
そんなことがわかって
幸せな
幸せなドライブ
いつまでも
どこまでも
そう思った
イタリアンのシェフが
アサリのボンゴレを
振る舞ってる
砂は絶対に残さない
そう言って
その技を教えてくれた
僕も思う
ジャリ
台無しだ
洗面所に行き
吐き出し
口を何回もゆすぐ
そんな経験
だけど
アサリは美味しいから
僕はアサリが好きだから
美味しくて
幸せになれるから
調理の前に
50℃のお湯で茹でる
アサリは砂を吐き出す
旨味も抜け出さない
なぜなら
アサリは生きているから
50℃は死なない温度
イタリアンのシェフはそういった
もがき苦しむ
そんな言葉が思い浮かぶ
地獄釜
そうに違いない
残酷
そんなこと言わない
だって僕らは残酷だから
アサリ
生きていること
気づいていないだけ
僕らは気づかなければいけない
尊敬しなければならない
感謝しなければならない
美味しく食べる
感謝して食べる
それが生きることだから
バーベキューに行ったら
みんな楽しそうで
はしゃいでいて
酔っ払っていて
たくさんのお肉を焼いていて
幸せそうだった
それでも
若い人や
若い家族ばかりで
かっこいい道具
おしゃれな格好
モデルみたいだ
なぜだか
本当に楽しいのかな
そんなこと思った僕は
ひねくれてる
そう思ったけど
そう思ったから
しょうがなくて
なぜそんなこと思ったのか
考えてみたら
自分のため
自分たちのため
ではなくて
人に見せるため
楽しむ自分を知ってほしいため
そんな空気が充満していたから
ひねくれてる
そう思って
美味しい肉を食べることに集中した