情けない男

 

情けない男でごめんよ

 

そんな歌

こんな歌詞

 

だけど温かくて

優しい歌

 

ちっとも

情けなくなんかない

 

素敵な男

素敵な恋

 

それに比べて

僕は本当の情けない男

 

人を愛することも

人に愛されることもできない

 

人にやさしくすることも

人にやさしくされることもない

 

いつも見返りを求めて

計算高く生きている

 

情けない男でごめんよ

 

言う相手もいない

僕は情けない男

 

だから

僕は言ってみる

 

情けない男でごめんよ

 

僕に言ってみる

鏡の前で言ってみる

 

情けない男でごめんよ

 

わかってるだけまし

鏡の男がそういった

 

情けない男でごめんよ

 

少し笑っていってみたら

鏡の男も少しだけ笑ってくれた

 

 

マイクロホンを持ちながら

おっきな声で歌ってみる

 

下手くそだって構わない

心の底から歌ってみる

 

大好きな

あの歌を

 

観客席の方を見ながら

おっきな声で歌ってみる

 

すると

誰かが僕に気づく

 

僕も

その誰かに気づく

 

その誰かは笑っている

僕を見ている

 

嘲笑なんかじゃない

嬉しそうに笑っている

 

それを見た僕は

少し微笑んで

 

再び

歌い出す

 

誰もいない世界に向かって

おっきな声で歌いだす

 

僕はここにいいる

僕はここにいるよ

 

誰にも聞こえない

おっきな声で歌いだす

隠しきれない

 

隠しきれない

気分はピーチパイ

 

こんな歌があったっけ

不思議なうた

 

気分はピーチパイ

どんな気分なんだろう

 

僕の気分は

どんなだろう

 

アップルパイ

チーズケーキ

 

それとも

 

レモンティ

ミルクティ

 

ホットケーキに

チョコレートムース

 

はちみつに

ココナッツ

 

なんだか

変なの

 

隠しきれないもの

なんだろう

 

それは

どんな気持ちだろう

 

きっと

恥ずかしい

 

人に見られたくない

自分だけの宝物

 

こそっと

隠れて笑いたいこと

 

そんなときに

何を思う

 

ピーチパイ

なんかわかった気がする

 

ピーチパイ

素敵だね

 

秘密のピーチパイ

一番

 

ホームランを決めたら

どんなに素敵だろう

 

ゴールを決めたら

どんな気持ちになるだろう

 

徒競走で一番をとったら

どんな顔をしたらいいだろう

 

わからない

僕には経験がないから

 

君に告白するとき

僕はどんなことを思っていたのだろうか

 

君に振られたら

その時のことを考えていたのだろうか

 

たいしたことないよ

気にしないで

 

そんな事を言う準備

していたのかもしれない

 

君の目を見て

泣いてしまったかもしれない

 

わからない

僕には経験がないから

 

僕は

ホームランも打てない

ゴールも決められない

かけっこだって一番になったことがない

 

だけど

君に告白することはできる

僕は君が好きだから

 

好きだから

ただそれだけ

それだけは一番になれるから

 

だから

振られたって構わない

大丈夫

 

僕は一番なんだもの

一番

この世で一番君が好き

無人島で

 

無人島で

二人で暮らせたら

どんなにいいだろう

 

雨が降ったって

そのまま

 

日差しが強くったって

かまうもんか

 

お腹が空いたら

魚を採って

 

のどが渇いたら

小川の水を飲む

 

眠くなったら

木陰で眠る

 

そんな生活

してみたいね

 

君と一緒なら

大丈夫

 

君も

そう思ってくれてるといいな

 

汗をかいたら

二人で泳ぎに行こう

 

こんな幸せ

いつまで続くかな

 

いつまでも

続けばいい

 

無人島で

僕らは二人

ふたりだけ

 

でも本当は

無人島でなくてもいい

 

世界中で

僕らは二人

ふたりだけ

 

始めてみようよ

こんな生活

 

二人で暮らせたら

どんなに素敵だろう

 

君と一緒に

暮らしたい

 

綿あめ

 

曇り空が続くと

僕のこころも曇っているかというと

そんなことはなくて

 

空を見上げると

あたり一面に青空はないけれど

光り輝く雲

 

その大きな存在に気づいて

こんな照明があればいいな

発明したらノーベル賞

 

そんなことを思いながら

光り輝く雲を見る

そして思う

 

乗れたらいいな

孫悟空はいいな

雷さまはいいな

 

そんなことを思う僕は

バカだな

そう思うけど仕方がない

 

光に包まれた雲を見て

綿あめみたいだな

食べたいな

 

あの雲が食べられたらいいな

縁日の綿あめは雲じゃないのかしら

光り輝く綿あめ

 

そんなんことを思う僕は

バカだな

そう思ったけど

 

今度

あの娘と一緒に綿あめを買いに行こう

そう思ってもう一度雲を眺めて

 

笑ってみた

 

心の声

 

疲れた

 

気がつくと

そんな言葉が口から出る

 

そんなとき

体は疲れてはいない

 

心が

疲れている

 

疲れた

 

そう感じるとき

こう思うとき

 

もう嫌だ

逃げ出したい

 

そんな気持ちを

身体から放り出す

 

疲れた

 

そう言ってみることで

僕は自覚する

 

悲しいことに

寂しいことに

 

そんな気持ちを

言葉に変換してみる

 

疲れた

 

そう感じたとき

そう思ったとき

 

笑ってごらん

だってそうだろ

 

僕は自分の気持に

自然に反応している

 

疲れた

 

疲れた

疲れた

 

僕は逃げたい

僕は逃げ出さない

 

僕は正直もの

だから

 

大笑いしてみればいい