夢中って
素敵
仕事にも
遊びにも
僕にも
君にも
カレーにも
たこ焼きにも
映画にも
小説にも
どんなことにも
夢中になる
そんな僕は
夢の中
だから
夢中?
いいや
夢じゃない
だから
夢中
夢中な僕らは
素敵じゃないか
だから
夢中
僕らは
夢中
ずっと
夢中
夢中って
素敵
仕事にも
遊びにも
僕にも
君にも
カレーにも
たこ焼きにも
映画にも
小説にも
どんなことにも
夢中になる
そんな僕は
夢の中
だから
夢中?
いいや
夢じゃない
だから
夢中
夢中な僕らは
素敵じゃないか
だから
夢中
僕らは
夢中
ずっと
夢中
みなさん!
聞いてください
今日は
僕の誕生日なんです
コングラッチュレーション
ハッピーバースデーイ
デコレーションケーキ
みんなで食べましょう
なんて
いつのことかな
ろうそくに火をつけて
一気に消して
嬉しくて
楽しくて
みんなが喜んでくれて
なにか
素敵なことがありそうな
そんな一日
いまは
ただの一日
だけど
なんか嬉しい
どうしてだろう
それは
記念日だから
僕が生まれて
喜んでくれた人がいた
僕を待っていてくれた人がいた
そんな日だから
大切な日
だから
おめでとう
僕じゃない
喜んでくれたあの人に
目の前に
鳥が降りてきた
羽を広げたその姿は
美しくて
まるで
剥製のよう
鳥は羽を再び広げ
飛び立とうとしたから
ちょっとまって
そう言ったらこちらを見たから
背中に乗せてもらえませんか
そう言ってみた
鳥は
バカだな
そんな目をして
飛んでいってしまった
僕は残念でしょうがなかったけど
いつか乗りたいな
そんなことを思い
鳥の背中に乗った自分を想像した
馬に乗れるんだから
鳥に乗れないはずがない
きっと試みた
昔の人もいるはずだ
それに鳥に飛べて
人に飛べないはずがない
僕はいつか
飛んでみたい
そんないつかが
きっとくる
僕は初めて飛んだ
人になる
大空を
出る杭は打たれる
だったら
出る杭になれ
そんなこと言う人がいる
出る杭って
なんだ
邪魔じゃないか
だから打たれるんだ
そんなところで出ちゃだめだ
出るべきところで出る
それが大人だ
散歩をしていたら
緑道の脇
きれいな草
雨を蓄え
輝いている
新しい芽
黄緑色でいきいきして
そんな中
大きく伸びた
一本の草
新しい芽をたくわえ
どこまでも伸びていく
そんな初々しさ
歩くのに邪魔だから
切られてしまった
散歩をしていたら
雨が降ってきた
おかしい
天気予報がはずれた
すぐに止むだろう
そう思って歩き続けたけど
雨足はだんだん強くなり
大きな樹の下に逃げ込んだ
雨宿り
僕はすることもなく
ただただじっと
目の前の池を見ていた
何人かの人が
僕の前を横切る
かまわず歩き続ける人
急いで走っていく人
傘をさしている人もいる
用意がいいな
雨宿り
考えてみればいつ以来だろう
そんなことを思い
頭上の大きな木の葉を見上げる
雨宿り
もしかしたら
僕はずっと
こうしているんじゃないか
僕はずっと
待ってばかり
僕はずっと
同じ場所で
雨が止むのを
空が晴れるのを
僕はずっと
待ってばかり
僕はずっと
言い訳していた
空の向こうが輝いている
雲の切れ間に青空が見える
まだ雨は降っていたけど
僕は歩き出した
ちょっと冷たいけど
気持ちよくて
僕の心が
洗い流されるようで
僕はなんで
雨に濡れるのが嫌だったのだろう
そんなこと思いながら
あの輝きのある場所に
晴れ渡った空に向かって
僕は歩き出した