手紙


あーだめだったか
僕には
才能がない
クリエイティブな
能力なんてない
わかっていたけど
それでも
そうなりたくて
試みたけれど
やっぱりだめだった

あーだめだった
ごめんね
これで僕には何も無くなった
希望絶望失望欲望
何にも無くなったんだ
僕は無になってしまった
だからいてもいなくても同じ
そんな存在さ

あー悲しいね
みんな
ごめん
僕はこんなモン
それなのに
プライドばかり高くて
人を小馬鹿にして
あーなんて恥ずかしい
もういいよね
わかったから

僕は旅に出る
もう帰ってこないと思うよ
誰に言っているの
ひとりなのに
そうさ
僕は僕に伝えているのさ
それが詩というもの
僕の僕による僕への手紙さ

あーごめんよ僕
カッコ良い僕になれず
人からも愛されず
自分でも愛しきれず
でも
こんな僕でも
生きてきたんだ
生きてきた証があるんだ
そんな詩を君に残します
さようなら