雲
綿アメみたいな雲の中
あたり一面ふかふかのベッド
あるはずないのに
あると思っていた
雲に乗って空を飛ぶ
猿じゃなくても飛べるかな
いつかできると思ってた
いつかしたいと思ってた
そんなある日
僕は雲の上から僕を見ていた
いつものように家の中
いつものように眠ってる
雲の上の僕は
街を散歩する
それでも
あの猿のようには動けない
いつの間にか
誰かの背中に飛びのった
街が一望できる
僕の街はこんな街だったんだ
初めて知った僕の街
初めて乗った誰かの背中
この誰かは誰なのか
雲なのかそうでないのか
僕は知っていたけど知らないふり
温かいその背中
僕はギュッと抱きしめた