僕は悔しかった

こんなの大したことじゃない

僕にはもっと大事なことがある

だから戻ってきた

戻ることが必要だった

だから悔しくなんかない

君のため

優先順位は何よりも高い

だから何があっても

どんなに悔しいことがあっても

気にすることなんてない

ヘイヘイホーのヘーさ

でも恥ずかしくて

悔しくて

それを感じてしまう僕が

情けなくて

でもいい

悔しかったら悔しがればいい

それでも僕には大切なものがある

一番大事なものがある

何よりも優先順位が高いものがある

これまでないがしろにしていたことに

気づいたんじゃないか

だから悔しくなんかない

恥ずかしくなんかない

情けなくなんかない

僕は君のためにここにいるんだ

僕は君のために生まれてきたんだ

だから

僕は君のためならなんでもするんだ

そう決めたんだ

だから大丈夫

安心して

もう大丈夫だから

全ては君のため

そして

それが僕のため

 

雨の中


雨の中
傘をさして
急ぎ足で歩いてた

早く行かなきゃ
濡れちゃうもの
急がなきゃ

前から年配の夫婦が歩いてきた
手には買い物袋
そして傘一本

一つ傘の中
二人寄り添いながら
歩く二人

ゆっくり
この雨を楽しむかのように
歩く二人

僕は
何を急いでいるんだろう
急ぐ必要なんてないのに

そう思い
ゆっくりと
雨の景色に身を委ねた

雨の音
水を弾く足元の音
木々の音

いろんな音が聞こえてきた
この景色この時間
今を生きている

必要もないのに急ぐことはない
ゆっくり自然に身を委ねる
二人なら最高だ

そんな発見
そんな雨の
そんなある日

 


家に鳥がいた
セキセイインコ
綺麗な青い鳥

幸せの青い鳥
そんな話があったっけ
僕も幸せになれるかな

鳥かごから出すと
僕の頭の上に飛んできた
肩に乗っかり耳をつつく

やめておくれ
違う場所にとまるよう
何回も促すのだけれど

鳥は僕の元にやってくる
ちょっと煩わしいけど
ちょっと嬉しい

何考えてんのかな
何も考えてないのかな
その目は僕をどのように見ているのかな

こっちを見て
ピッっと鳴く
何が言いたいのかな

そんなこと思いながら
いつのまにか鳥に話しかけてる僕
あれだけ動物嫌いだったに

おい鳥さん
幸せかい
今日も一緒に話そうよ

ピッと鳴いておくれ
こっちに飛んできておくれ
いつか一緒に飛べるといいね

 

その場所


写真をっとっていた
綺麗な景色
そのまま記録に残したい
家族に見せたい
自分がその場所にいたことを証明したい
そんなことを思いながら
行く場所行く場所の写真を撮っていた

だけど
僕は写真を撮るためにその場所に行くわけではなくて
その場所に行きたいから行くだけなのに
写真を撮るのが目的になっているようで
心がそっちに行ってしまっているようで
思い直して
写真を撮るのをやめた

そうしたら
その場所の景色が
なぜか自分のものになったような気がして
なぜか自分もその景色の一つになったような気がして
そういうことか
訪れるということは
それがわかった

その場所にいること
その場所を見ること
その場所と一つになること
それは写真を見るだけではなし得ないこと
そんなことに今頃気がついて
僕は
その場所で詩を書くことにした

何年か後に
その詩を見たら
思い出すだろう
その場所のこと
そして
その時の僕のことを
それが今の僕を作っていることを
 

ミルク


ミルク
最近飲んでないね

子供の頃は毎日
学校の給食や家で

ミルク
牛は僕らのためにパワーを分けてくれる

いや僕らが搾取しているだけ
牛は子のためでなく僕らのために乳を作る

だから牛舎にはメスばかり
オスの牛は食肉に回されてしまうらしい

ミルク
それは本来じぶんの子のためのパワー

僕らは母親のミルクの味なんて覚えていない
でもそのパワー優しさ温かさをもらったはず

それが今でも欲しくて忘れられなくて
牛にお願いしているのかも

ミルク
生きるためのパワー

男にとっても女にとっても
僕らには忘れられないもの

男の僕は子に何を与えられるだろう
大事なこと

ミルクは与えられないけど
何を与えられるかは自分次第

何を作り出せるかは自分次第
大事なこと

 

ハロウイーン


ハロウイーン
みんな思い思いの格好

仲間で集まり
楽しそう

みんなで楽しんでいるところ
見て欲しい

一人じゃないところ
見て欲しい

楽しそうでしょ
充実しているでしょ

素敵な私を見て欲しい
素敵な私と思って欲しい

だって私は一人じゃないから
私は寂しくないから

いけてるでしょ
恵まれてるでしょ

寂しいよ
そんなの寂しいよ

だからそんなことない
絶対ない

私は素敵なの
私は充実しているの

だから装いたいの
そんな私を装いたいの

化粧や洋服と一緒
何が悪いのよ

私たちは装うことで
満足を得るの

だから髪も染めるし
爪も磨く

素敵でしょ
素敵な私でしょ

何が悪いのよ
装うことは素敵なことよ

そう
装うことは悪くない

でも外見だけにしてよ
心まで装ってはいけない

だって
心まで装ってしまったら

君は誰だっていうのさ
君ではなくなってしまう

生きてる意味だってなくなってしまう
僕らは装わない心を持たなければならない

ハロウイーンで仮装してる子たち
君は心まで仮装してやいないかい

 

それは誰


選挙があるらしい

選ばれたくて
みんな主義主張を訴えている

自分ならできる
自分だからできる

みんなのため
この国のため

だけど

本当は選びたがっている
だから選ばれたがってる

自分の役に立つ人を
自分の言うことを聞く人を

自分のため
自分の仲間のため

見てればわかる

僕らはそんなバカじゃない
僕らはそんな鈍感じゃない

顔を見ればわかる
言っていることを聞けばわかる

それなのに
いつも騙されている

それはなぜ

僕らがバカだから
僕らが鈍感だから

違う
自由で平和だから

そして利用しようと
する人たちがいるから

それは誰

いつも見てる人
テレビの中にいる人

物知り顔で
自分は正しいと

いつも怒っているけど
笑っている人たち

僕らは気づかなければいけない

自分で考えることに
自分で気づかなければいけないことに

それが
自由で平和だと言うことに

気づかなければいけない
大事なことだから