灯台


あの灯台にやってきた
夢で見た
あの灯台

灯台
真っ暗な闇夜にあって
僕らの唯一の道しるべ

船舶だけのものじゃない
道に迷っている
僕らすべてのもの

灯台は強烈な光で
僕らを誘う
大丈夫だから安心して

だから僕は決めた
僕は灯台になる
そう決めた

あの日
夢の中で僕は灯台だった
こっちへ来いよ

みんなを誘う光を発して
自信満々に
輝いていた

だけど
あの子だけは
道に迷ってしまった

僕は灯台だけど
あの子を探しにいくことにした
そして見つけた

あの子だった
僕は灯台なのに
あの子は気づいてくれなかった

僕を知らなかったから
だから僕は灯台をやめて
あの子のための僕になろうとした

夢で見たあの灯台
僕であり僕ではなかった
絶望と希望の象徴

灯台
夢で見たあの灯台
もう光を発してはいなかった