いつもより遅く家を出た
午前9時の駅前
いつもと違うその光景は
新鮮だった
知らない人が笑いながら
今日という一日のはじまりを
楽しんでいるようだった
いつもの駅前は
午前6時の駅前
殺伐とした空気が充満していて
つまらなそうな大人たちが
つまらない毎日のはじまりを
誤魔化しながら受け入れている
そう感じたのは
もちろん僕の勝手な思い
僕の気持ちがそうさせていた
いつもより遅く家を出たその日
心の余裕がそう感じさせた
急ぐ必要もないのに
いつも急いでいる自分に気がついた
一本でも早い電車に乗りたい
なぜ
早く会社につけるから
電車に座れるかもしれないから
考えよう
僕は何がしたいのか
感じてみよう
僕の毎日を
僕の毎朝は僕だけのものだから
人のものじゃなくて
僕だけのものだから
新しい朝
今日もやって来る