僕だから

 

落ちぶれちまった

 

落ちぶれちまった

本当に

こんなありさ

考えてやしなかった

 

もっとうまくやれると思っていた

もっとマシな人生送れると思っていた

いつも誰かが助けてくれる

そんなふうに思っていた

 

落ちぶれちまった

 

適当に笑って

ご機嫌を伺い

その場を取り繕っては

誤魔化して

 

自分を正当化させて

きっと誰かは見ていてくれる

評価してくれる

そんな夢見て酒を飲む

 

落ちぶれちまったな

 

子供の頃はこう思った

出来ないことなんてなんにもない

何だってできる

僕は特別なんだ

 

それが

たったの5年

5年でこのありさ

みじめなもんだ

 

落ちぶれちまったな

 

プライドなんてどこにある

僕のからだはプライドだらけ

だから誤魔化し続けては

一晩眠って忘れてる

 

たったの5年

たったの5年でこのありさ

でも知ってる

今も昔も変わらない

 

落ちぶれちまったな

 

自分が自分がいつも言うけど

自分じゃないのは自分でわかる

そもそも自分がないからね

人に合わせる自分がいる

 

そろそろ終わりにしようじゃないか

そんな自分に卒業して

自分が自分になる頃だ

きっとなれるの知ってるけれど

 

落ちぶれちまったな

 

面倒くさい

怖い

疲れる

自信がない

 

怒られる

間違ってるかもしれない

僕なんて

僕なんて

 

落ちぶれちまったな

 

もうやめよう

やめればいいだけだ

僕なんて

僕なんて

 

僕だから

僕だから

君のこともわかる

僕のこともわかる

 

きっとわかる

大富豪

 

大富豪

どんな生活

 

お金持ちになったら

何をする?

 

高級車を好きなだけ買って

有名な画家の絵を買って

洋服はエルメス

100億くらいの家を建てて

プライベートジェット

素敵な別荘

ワインはロマネ・コンティ

美味しいものたくさん食べて

朝ごはんはカップラーメン

 

こんな大富豪

いるらしい

 

なんか

わかりやすい

 

想像できる

お金の使い方

 

ビジネスで成功した

大富豪

 

努力の賜物

だから難しい

 

お金持ちになって

何をするか

 

じゃなくて

何ができるか

 

お金持ちになって

何ができるか

 

よく考えたら

大富豪じゃなくても同じ

 

何をするかじゃなくて

何ができるか

 

だったら

やればいい

 

いますぐ

やればいい

 

僕らにだって

できるはず

 

僕らなら

できるはず

 

 

生きている

 

食虫植物ってあるでしょ

ハエトリソウ

虫がとまるとパクって

口みたいなトゲのある歯を折りたたみ

食べちゃう

虫を

植物なのに

 

ずっと思ってたんだけど

植物は生きている

当たり前の話

だったら

意思があるんじゃないか

どっかに脳だってあるんじゃないか

目はないけど違う手段で見てるんじゃないか

 

何万年も続く森だって

そこいらの草花だって

ベランダに咲く可憐な花だって

生きてる

何かを考えてる

何も考えてないと考えるほうが

おかしい

 

そう考えたら

頼もしい

だってこんなにたくさん

みんなに囲まれて僕らは生きている

植物は

僕らをどう見ているんだろう

聞いてみたいな

 

いろいろと思うところはあるだろう

だって勝手に切られたり

摘まれたり

時には新しい種まで作り出されたり

勝手なもんだ

そう思ってるかもしれないけど

きっと何も思っていない

 

ただじっと

生きている

きっと

生きることが何かを知っている

だから

あたふたしている僕らを見て

不思議に思っている

 

今度聞いてみたいな

そんなこと聞いて

何いってんの

みたいな感じだろうけれど

聞くことは自由だから

聞いてみよう

君の目的はなんだい

 

きっと言うだろう

生きること

そしてこう言われる

何いってんの

そんなんことも知らなくて

君はなぜ生きているの

きっとそう言われる

真夏にやってくる

 

花が咲いていた

それはそれは

美しい

赤い花

 

その花は可憐で

はかなげで

なぜだか

力強い

 

ほろほろと

泡立ったように

咲くその姿は

暑い夏に現れる

 

ツルツルの枝

すべすべの幹

きれいな茶色で

緑の葉っぱも従える

 

この花は

サルスベリの木

猿もすべる

滑稽な名前の木

 

こんな枝に

こんなにも美しい

それまで誰も気づかない

 

真夏に突然現れる

この花は

誰なのだろう

百日紅の木

 

もうすぐお盆がやってくる

 

 

降り続く雨

 

朝から

雨が降り続いている

 

どうやら

台風が来るらしい

 

今日は花火大会だっていうのに

台無しだ

 

彼女の浴衣

屋台の出店

 

高揚した人々の

甘い空気

 

年に一度のお祭なのに

台無しだ

 

窓のそばに座り

じっと外を見る

 

曇天の中

ひたすら降り続く雨

 

この雨は

どこから来てどこに行くのだろう

 

不思議なもんだ

そう思ったけど

 

この世は不思議だらけ

いまさら始まったことじゃない

 

台風はどこから来るのだろう

なんで生まれてきたのだろう

 

僕にはわからない

わからないことだらけ

 

よく考えたら

僕も同じだ

 

どこから来てどこに行くのか

僕は今いる場所しかわからない

 

どこに行くのか

行こうとしてるのか

 

だけど

そうじゃない

 

どこにだって行ける

自分次第

 

気づいているのに

気づかないふりして

 

降り続く雨を見て

思い出した

 

さあ

行こうか

 

そう思って

家を出た

 

 

インスタ

 

いい写真撮って

いい写真見て

 

羨ましい

嬉しい

 

みんなに見せたくて

みんなを見たくて

 

全然面白くない

なぜだろう

 

友だちがいないから

見せたい写真なんてないから

 

興味がないから

僕にも他人にも

 

そんなことない

僕は僕に興味がある

 

だけどそれは僕のなかの話

他人は関係ない

 

人に見せるものでもない

みんなもそう

 

それでも知りたがる

みんなのこと

 

みんな自信がないのかな

自分のこと

 

みんな教えてほしいのかな

自分のこと

 

知りたいのは

自分のこと

 

それだけなのにね

a part of your life

 

a part of your life

昔聞いたこんな曲

 

あなたのために生きていきたい

あなたの人生を一緒にいきたい

 

そんな事言われたら

僕なら困っちゃう

 

僕の人生は僕のものだから

君のものではない

 

それに僕の人生は

そんな大したものじゃなない

 

だから僕のことに構わないで

僕の好きにさせておくれ

 

君を巻き込みたくない

だって僕の人生はそんな素敵じゃないから

 

きっとこう言うだろう

でも

 

僕もこう思っていたらどうだろう

君の人生を一緒にいきたい

 

そういうことなんだろう

それが結婚するということなんだろう

 

素敵だね

僕はそう思ってしまうのだけれど

 

きっとこれが普通のことなのだろう

あたり前のことなのだろう

 

a part of your life

今日一日口づさんで過ごしてみようっと