旅立ち

 

ゴルフをしていたら

ボールが木に当たって

 

カコーン

 

そんな音がしたものだから

申し訳ないな

 

そんなふうに思ったけど

そこにある木は

 

そんなことには慣れていて

でももちろん嬉しくはなくて

 

逃げられるわけでもないから

それも受け入れて

 

生きているのだけれど

悠々と

 

逞しくて

恥ずかしさは微塵もなくて

 

僕らを受け入れてくれて

僕らを圧倒していたから

 

どこにでも行ける

どこにでも逃げられる

 

それなのに

どこにも行かない

 

そんな僕は

恥ずかしくて

 

どこかに行ける価値

なんだろう

 

そう思ったから

どこかに行くことにした