まんざらでもない

 

僕は悲しかった

なにもない僕が

恨めしかった

そんな僕は

今日も生きていた

生き続けていた

何のために

生き続けているかと言うと

ほかにすることがない

ただそれだけだった

ただそれだけのことを

人は幸せという

であるならば

幸せとは簡単なことだ

それなのに人はなぜ

幸せになりたいというのだろう

いま以上の幸せ

それは何なのだろう

欲張り

そういうことだろうか

僕らは欲張りな生き物

誰よりも

幸せになりたい

幸せはなにか

わかってもいないのに

不思議で

バカで

健気な僕ら

そんな僕を

まんざらでもない

僕はそう思っていた