僕だけの秘密


月曜日の朝
電車に乗る

みんな無言で
険しい顔

朝なのに
疲れた顔

土日に
遊び疲れたのか

これから始まる一週間
気の重い顔

電車が川を渡る
川の向こうに朝日が輝いている

僕は声をあげそうになった
すごい景色だ

金色に染めあがった空
その輝きがあたり一面を照らす

川面が輝き
無数の鳥が光っている

緑の草木は
みずみずしい光を放ち

空気全体が
その景色を引き締めている

僕は思う
どんな景勝地にも負けない景色

ここにいるみんなに教えてあげたい
遠くに行かなくても絶景は身近にある

渋滞に巻き込まれなくても
人混みをかき分けなくても

素晴らしいものはここにあるじゃないか
みんなに教えてあげたかったけど

僕だけの秘密にしておくか
そう思って笑っちゃった